国内旅行業務取扱管理者資格講座 2016年度問題の解説【約款24】
5.<旅客鉄道会社(JR)の旅客営業規則>
今回はJR約款(旅客営業規則)についての問題です。
JR東日本は全9章58節(款含む)からなる膨大な規則ですが、これを全部覚えるのは至難の業です。
なので、過去問で傾向を掴み、ポイントを絞って戦略を立てて勉強してきましょう。
今回も過去問に従って解説を進めていきます。
問題文と解説、そして最後に回答を書いています。
それでは、早速見ていきましょう。
5.旅客鉄道会社(JR)の旅客営業規則に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。 ア.旅客は、旅客運賃・料金について2以上の割引条件に該当する場合であっても、同一の乗車券類について、重複して旅客運賃・料金の割引を請求することができない。ただし、学生割引普通乗車券を購入する旅客は、往復割引の普通旅客運賃に対して、学生割引の適用を請求することができる。 イ.旅客鉄道会社は、旅客が、片道の営業キロが600キロメートルを超える区間を往復乗車する場合は、往復の割引普通乗車券を発売する。 ウ.列車が事故等で運行不能となったとき、旅行を途中で中止する場合は、旅客は、無賃で乗車券の券片に表示された発駅に戻ることを請求できる。この場合において、途中下車をしていなければ、すでに旅客鉄道会社が収受した旅客運賃の全額の払いもどしを請求できる。 エ.旅客鉄道会社は、訪日観光団体に対しては、団体旅客が31人以上50人までのときはうち1人、51人以上のときは50人までごとに1人を加えた人員を無賃扱人員として旅客運賃を収受しない。 |
<問題の解説>
先にポイントを記載し、それの説明を後で記載していきます。
ア.「往復割引の普通旅客運賃に対して、学生割引の適用を~」→通常、2以上の割引が適用されることはあまりないのですが、この「往復割引」と「学生割引」はJR旅客営業規則によって、重複して割引が適用されます。この2つは覚えておいて下さい。正しいです。
イ.「600kmを超える~往復乗車する場合~往復の割引乗車券を」→旅客営業規則第2編・第2章・第2節・第32条に記載の通り、600kmを超える区間においては往復割引運賃が適用されます。よって正しいといえますね。
ウ.「運行不能となったとき、~~発駅に戻ることを請求~~全額の払い戻し」→第2編-第7章-第3節-第5款-第282条に記載がありますとおり、発駅までの無賃送還及び全額の払い戻しを請求することが出来ます。これも正しいですね。
エ.「訪日観光団体に対しては、~31人以上50人までのときはうち1人」→第2編-第3章-第5節-第111条の2項に記載がありますが、訪日観光団体の場合は、31人ではなく「15人」以上50人までと、ハードルが少し下がって適用されます。よってこれは誤りといえます。
このJR約款(旅客営業規則)は幅が広く、すべて覚えるのは時間的余裕がないので、過去問をしっかり覚えて下さい。
以上のことから、選択肢はエ.ということになります。