国内旅行業務取扱管理者資格講座 2016年度問題の解説【約款10】
<標準旅行業約款>
募集型企画旅行契約の部
「旅程管理・旅行業者の指示・保護措置」に関する出題です。
約款の「企画旅行契約の締結」にあるように、旅行業者は、企画旅行契約を締結することによって旅行者に安全かつ円滑な旅行の実施を提供しなければなりません。
今回は、そんな「安全かつ円滑な旅行の実施」をするために必要な「旅程管理」、それに付随する「旅行業者の指示、保護措置」についての出題です。
今回も過去問に従って解説を進めていきます。
問題文と解説、そして最後に回答を書いています。
それでは、早速見ていきましょう。
<問題10>
「旅程管理・旅行業者の指示・保護措置」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。 a.旅行者は、旅行開始後旅行終了までの間において、団体で行動するときは、旅行を安全かつ円滑に実施するための旅行業者の指示に従わなければならない。 b.旅行業者は、旅行中の旅行者が、疾病、傷害等により保護を要する状態にあると認めたときは、必要な措置を講ずることがある。この場合において、これが旅行業者の責に帰すべき事由によるものでないときは、当該措置に要した費用は旅行者の負担となる。 c.旅行業者は、他の旅行業者に旅程管理業務を委託する旨を確定書面に明示した場合は、旅程を管理する責任を負わない。 ア.(a,b) イ.(a,c) ウ.(b,c) エ.(a,b,c) |
<解説>
約款の「企画旅行契約の締結」にあるように、旅行業者は、企画旅行契約を締結することによって旅行者に安全かつ円滑な旅行の実施を提供しなければなりません。
ポイントは、
- 旅行者は旅行業者の指示に従わなければならない、
- 旅行業者は(疾病等により)旅行者がサービスを受けられないおそれがあると認められる時は必要な措置を講じる(その場合の費用負担は旅行者になります)
- 契約内容の変更の必要がある場合は代替サービスの手配を行うこと、
があります。
<問題の解説>
今回は「正しいものをすべて」選択する問題です。
a.「旅行者は、~(中略)~旅行業者の指示に従わなければならない。」→その通りですね!こちらは「旅行業者の指示」になります。
b.「必要な措置を講ずる」→その通りですね。
そして、「旅行業者の責に帰すべき事由によるものでない」場合は、「費用は旅行者の負担」になります。→これも正解です。
これは「保護措置」に関するポイントです。
c.「確定書面に明示した場合は、旅程を管理する責任を負わない。」→旅行業者は、例え他社に委託をしたとしても、自社の企画旅行の旅程は管理する義務(責任)があります。
ということで正しいのはaとbになりますから、正解は「ア」になりますね。