国内旅行業務取扱管理者資格講座 2015年度問題の解説【約款 1】
<2:旅行業約款、運送約款及び宿泊約款>
1:標準旅行業約款に関する以下の各設問について、該当する答を、選択肢の中からそれぞれ1つ選びなさい。
(問題 1)募集型企画旅行契約の部「適用範囲」「用語の定義」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。a. 「募集型企画旅行」とは、旅行業者が、旅行者の募集のためにあらかじめ、旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービスの内容並びに旅行者が旅行業者に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する計画を作成し、これにより実施する旅行をいう。 |
<解説>
標準旅行業約款(以下、約款)については、2016年度試験問題の解説でも書きました。
約款の記載事項は多岐にわたるため、ここの学習では、GARDENZ Travel Schoolの方針に則り「過去問に出題された箇所を中心に」取り上げていきます。
◎約款の適用範囲と特約
- 約款に定めがない場合は、法令または一般的慣習が優先されます。
- 約款に定めがない事項の約束を「特約」といいます。特約が成立する条件は、1)法令に反しない、2)旅行者の不利にならない、3)書面の発行、の3つが揃って成立します。
◎契約の内容
- 旅行業者は、旅行者が旅行業者の定める旅行日程に従って、運送・宿泊機関等の提供する運送、宿泊その他の旅行に関するサービスの提供を受けることができるように手配し、旅程を管理することを引き受けます。
◎手配代行
- 旅行契約の履行に及び、手配の全部又は一部を、他の旅行業者等に代行させることができます。
約款の問題は長文が多くなるのですが、問題の内容とキーワードを照らし合わせて考えてみると意外と簡単に見えてきますので、慣れていきましょうね。
それでは問題を見ていきます。
正しいもの全てを選ぶ問題です。
a. 募集型企画旅行=旅行業者が「あらかじめ」計画を作成し実施する旅行、です。これが例えば受注型になると「お客様(=旅行者)の依頼により」というキーワードであったり、手配旅行の場合は「代理、媒介、取次」などのキーワードが出てくることが多いです。このあたりを理解して下さい。正しいといえます。 b. 「特約」=「法令または一般慣習による」とありますが、これらは必ずしも旅行業法及び内閣府・国土交通省令に限られる、というわけではありません。民法など国内で施行されるあらゆる法令がベースになります。 c. 「国内旅行=本邦内の旅行」であり、「海外旅行=それ以外」となります。正しいですね。 d. 「通信契約」の種類としては電話やFAX、インターネットなど様々ありますが、旅行業法でいうところの通信契約はクレジットカードによる支払いが条件=カード会員となります。正しいですね。 正しいものを全て選ぶということで、正解はa,c,dを選んでいる【ウ】となります。 |