国内旅行業務取扱管理者2016 国内実務-06-1:「貸切バスの運賃計算(時間制とキロ制運賃)」

国内旅行業務取扱管理者2016 国内実務-06-1:「貸切バスの運賃計算(時間制とキロ制運賃)」

国内旅行業務取扱管理者資格講座 2016年度問題の解説【国内実務-貸切バス】

6-(1)<貸切バス(時間制とキロ制運賃)>

はい、国内地理が終わって、実務的な範囲に入ってきました。
今回は「貸切バスの運賃」についてです。貸切バス運賃は「時間制」と「キロ制」があります。貸切バス運賃については毎年と言っていいほど出題されている範囲ですから、しっかりと覚えていきましょうね。
今回も過去問に従って解説を進めていきます。それでは、早速見ていきましょう。
 

問題
貸切バスによる運送に関する以下の各設問について、それぞれ選択肢の中から答を1つ選びなさい。

(1) 次の行程(日帰り)で、学校教育法による中学校の生徒の団体が大型車の貸切バス(本問において、以下「大型バス」という。)を利用するとき、この運賃について資料に基づき各設問に該当する答を、選択肢の中からそれぞれ1つ選びなさい。
(注1) 「一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の変更命令について(平成26年月26日付関東運輸局長公示)」によるものとする。
(注2) この運行に係る料金は生じないものとする。
(注3) 消費税の計算は、行わないものとする。
<行程>(日帰り)
●走行時間の合計は時間10分
●実車距離は214キロ
なお、「実車距離」とは、旅客の最初の乗車から最後の降車までの間に走行する距離をいい、回送距離は含まない。
●回送距離の合計は67キロ
<資料>
●時間制運賃の下限額は大型バス1時間当たり5,310円とし、この大型バスの時間制運賃は下限額をもとに計算される。
●キロ制運賃の下限額は大型バス1キロ当たり120円とし、この大型バスのキロ制運賃は下限額をもとに計算される。
 

① この行程における下限額をもとに計算した時間制運賃の額について、正しいものはどれか。
ア.6時間10分→ 端数処理→ 6時間×5,310円= 31,860円
イ.6時間10分→ 端数処理→ 7時間×5,310円= 37,170円
ウ.6時間10分+2時間=8時間10分→ 端数処理→ 時間×5,310円= 42,480円
エ.6時間10分+2時間=8時間10分→ 端数処理→ 時間×5,310円= 47,790円

<解説>
今回の解説は、担当の富田講師がホワイトボードに詳しく解説していますので、動画を参照していただきたいのですが、書いていることはこういうことです。
・時間制運賃は出庫〜帰庫+点呼の時間が前後1時間ずつ必要(プラスする)になります。
・端数がある場合は、30分未満は切り捨てします。(30分以上は切り上げ)
ということを考えると、まずアとイは選択肢から除外しましょう。
続いて、10分を切り捨て処理されているのは選択肢【ウ】になりますので、正しい答えは【ウ】ということになります。
 

② この行程における下限額をもとに計算したキロ制運賃の額について、正しいものはどれか。
ア.214キロ→ 端数処理→ 210キロ×120円= 25,200円
イ.214キロ→ 端数処理→ 220キロ×120円= 26,400円
ウ.214キロ+67キロ=281キロ→ 端数処理→ 280キロ×120円= 33,600円
エ.214キロ+67キロ=281キロ→ 端数処理→ 290キロ×120円= 34,800円

<解説>
(1)は時間制運賃の問題でしたが、(2)はキロ制運賃の問題です。キロ制運賃では実際の走行距離に応じて料金が決まるプランですが、10キロ未満は切り上げとなります。
また回送距離が67キロとあります。回送距離は出庫〜帰庫の距離に含まれますので、そこをプラスする必要があります。
それでは計算してみます。
・214キロ(実車)+67キロ(回送)=281キロ(切り上げ処理)→290キロ
となりますので、正しい答えは【エ】になります。
 

③ この団体が支払うこととなる大型バスの運賃に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア.下限額をもとに計算した時間制運賃の額とキロ制運賃の額を合算した運賃
イ.下限額をもとに計算した時間制運賃の額とキロ制運賃の額を合算し割引した運賃
ウ.下限額をもとに計算した時間制運賃の額とキロ制運賃の額を合算し割引した運賃
エ.下限額をもとに計算した時間制運賃の額とキロ制運賃の額を合算し割引した運賃

<解説>
問題文を読んでいただくとわかりますが、
「学校教育法による中学校の生徒の団体」とあります。
学生団体の場合は20%の学生割引が適用されますが、「下限額を下回らないこと」という但し書きがあります。
学生団体の割引を適用しようとするとウを選んでしまいがちですが、これだと下限額からさらに2割引きになってしまいます。
この場合は、【ア】の「下限額をもとに計算した」とあります、こちらが正解になります。
このような「ひっかけ問題」に引っかからないようにしましょうね。
 

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