国内旅行業務取扱管理者資格講座 2016年度問題の解説【約款21】
2.<一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款>
今回も過去問に従って解説を進めていきます。
問題文と解説、そして最後に回答を書いています。
それでは、早速見ていきましょう。
2.一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。 ア.旅客は、バス会社の運転者、車掌その他の係員が運送の安全確保と車内秩序の維持のために行う職務上の指示に従わなければならない。 イ.バス会社は、乗車券の券面に記載した配車日時に所定の配車をした場合において、出発時刻から30分を経過しても旅客が乗車についての意思表示をしないときには、当該車両について当該運送契約に係る運送の全部が終了したものとみなす。ただし、天災その他やむを得ない事由による場合には、適用しない。 ウ.旅客が車中で泥酔し、他の旅客の迷惑となるおそれがあるため、バス会社がその後の運送の継続を拒絶したときは、バス会社は、当該旅客について当該運送契約に係る運送の全部が終了したものとみなす。 エ.バス会社が収受する運賃及び料金は、乗車時において当該バス会社の本社所在地を管轄する都道府県知事に届け出て実施しているものによる。 |
<問題の解説>
一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款、いわゆる「貸切バス約款」といわれる約款についての出題です。
今回は「誤りをひとつ」選ぶ問題です。
こういった、誤りをひとつ選ぶケースの場合は、「キーワード」になっているような「ポイント」に注目して、それの是非を考えてみて下さい。
それでは、順番に見ていきましょう。
ア.「旅客は~職務上の指示に従わなければならない。」
=一般的・社会的に考えて、安全確保と社内秩序の維持のためには、係員の職務上の指示に従うのは当然のことだと思いますので、正しいと言えますね。
イ.「出発時刻から30分を経過しても」
=貸切バスにおいて、出発時刻から30分を経過した場合は運送の全部が終了したことと「みなされます」。正しいです。時々、「配車時刻から30分」というような問題が出題されますが、配車時刻ではなく「出発時刻」であることを覚えておいて下さい。
ウ.「運送の全部が終了したものとみなす。」
=文面通り、泥酔等によって、バス会社が運行の継続を拒絶した場合は、その後の運送全部を終了したことと「みなされます」。途中での運行の終了ですが、文字通り「終了」しているため、残金の返金等も行われません。
エ.「都道府県知事に届け出て実施している」
=届出は、都道府県知事ではなく、「地方運輸局長」になります。
以上のことから、選択肢はエ.ということになります。